カニになりたい。
それは、だれもが一度は抱く甲殻類へのあこがれーー。
みなさん、カニになる準備はできていますか?
Hello! SOEJIMAです。今日紹介するのは、格闘カニアクションゲーム『カニノケンカ -Fight Crab-』 です。後半には開発者インタビューもありますのでお楽しみに!
あなたはカニです。
こことは違う、どこかの世界。
神から知性と力を授かったカニ達は、
人間の武器を奪い、地上を支配しました。
カニ達は不死身で、剣や銃でも殺すことはできません。
しかし、一つだけ、彼らにも逆らえない掟があります。
「背を大地につけた者は、負け」
ケンカで逆さにひっくり返された者は、
屈服しなければなりません。
カニとなったあなたは今、最強のカニを目指し、
全てをひっくり返す旅に出るのでした。
カニハメハ、カニオウケン、カニタマ
『カニノケンカ -Fight Crab-』のルールは至ってシンプル。相手をひっくり返せば勝利です。
カニの操作は、左右のスティックまたはJoy-Conの傾きでハサミを動かし、ZL/ZRボタンまたはJoy-Conを振ってパンチ、L/Rボタンでハサミを開閉し、閉じ続ければ防御もできます。
ダメージがたまったカニはバランスを崩しやすくなり、ひっくり返って3カウントでKOです。
カニの種類は全23種類。種類に合わせた戦略が重要。小さいカニはスピードがあって小回りがきき、大きいカニはパワーがあって重いモノも軽々と振り回せますが、攻撃の的になりやすいです。
カニたちは武器を使います。その種類は全48種。
え、ちょっと待って。カニってハサミこそが最大の武器では?
いいえ、そんな生ぬるい世界ではありません。
カニはハサミで正々堂々と戦う、そんな甘い幻想は捨てましょう。
カニと武器の組み合わせを考えるのも戦略上とても重要。
カニは最大2つまで武器をはさみ持つことができます。ナイフかハンマー、手裏剣に、斧、そしてチェーンソー……あなたは何を選びますか?
さらには、アザラシやスクーターも乗りこなすカニ。
カニだって乗り物にのれば、移動が速くなります。
カニとスクーター、今まで誰がこの組み合わせを想像できたでしょうか?
そして、カニといえば……そう、「ハイパーモード」。
カニはハイパーモード状態になると、技が発動できます。
カニハメハ、カニオウケン、カニタマ……
そうです、カニの世界はなんでもありです。
技を使うことで、駆け引きや逆転の要素が生まれてきます。相手のスキをついて、渾身の一撃を与えましょう。
ちなみに本作は、2vs2のタッグバトルが可能。さらに、オンライン&オフライン対戦にも対応しています。この壮大なカニ体験を、誰かと共有してみるのも良いでしょう。
1人モードをある程度進められるようになれば、奥深いカニバトルの世界を楽しめるようになってきます。自信のある方はオンラインのランクマッチに参加してみてください。ケンカに明け暮れた猛者……ならぬ猛蟹が集う、ファイトクラブがあなたを待っていますよ。
さて、そんなカニへの愛にあふれたゲームは、いかにして作られたのか?
開発者のぬっそさんに話を聞いてみました。
開発者にきいてみた
カラッパゲームス:
前作『エース・オブ・シーフード』 の売り上げで設立したぬっそさん1人の法人。前作は完成するまでは働きながら余暇で作っていたのですが、『カニノケンカ -Fight Crab-』から専業という形になった。
ぬっそさん、こんにちは!
前作の『エース・オブ・シーフード』に引き続き、魚介類が主役のゲームですね。
今回、なぜカニを選んだのでしょうか?
前作のシューティングゲームに限界を感じたので、次は格闘ゲームを作ろうと考えました。ただし、コマンド入力するゲームよりも体感型のゲームにしたかったんです。
そこで、腕を動かせる魚介類を模索しまして、カニに辿り着きました。
ぬっそさんが作るゲームは、魚介類がメインですよね。
ものを作る上で、自然や動物から学びたいと思っています。
魚介類は基本的に丸ごと購入でき、じっくりその身体を調べることができます。調べた後に、美味しく料理して食べれば思い入れもできますし、何も無駄にならない……とてもいいサイクルだと思いませんか。
確かに、いいサイクルだと思います。
そういえば、ぬっそさんがJoy-Conの形を最初ご覧になられたときに、「カニだ」と、ぼそっとつぶやかれていたことを覚えています。
コントローラーでカニの両腕を動かせる、というのがぴったりでした。握ったときにちょうど人差し指が出る形が、まさにカニのハサミだったのです。
トラフカラッパのように、わたしはなりたい
今回のバトルシステムで、こだわったポイントはどこでしょう?
ダメージを競うだけでなく、ひっくり返すことが目標なので、反射神経よりも戦術と駆け引きが重要になります。カニと武器の組み合わせを考え、相手が倒れそうな時に攻撃を仕掛けられるよう間合いやハサミのスタミナを管理し、ハイパーモードで状況に応じた技を選ぶ。
そして最後、地面に甲羅がつくかどうかは運も絡む……多様な展開が生まれるようにこだわりました。
カニを選ぶところから勝負は始まっているんですよね!
また、今回はカニのモデルにもこだわられてますよね。
はい、そうです。
一切デフォルメなどはしていない自然の造形美を、ぜひ堪能してほしいです。
10本の脚、それぞれに7つの関節があります。
それらがワッサワサと動くよう、アニメーションにもこだわっています。しっかり大地を踏みしめていることがわかるでしょう。
そしてハサミです。
カニによってハサミの形状や角度は異なるので、それらを再現しています。ハサミで武器を持つので、ゲーム中の構え方に個性がでます。
例えば、ズワイガニは武器を抱え込むような構えで、横に振るのが得意ですし、タラバガニは外向きに構え、振り下ろしが得意です。
ハサミの角度まで、こだわられていたとは!
数あるカニの中で、ぬっそさん一番の「推しガニ」はどれでしょうか?
推しは「トラフカラッパ」です。
袖のようなハサミが特長的で、ハサミには貝を砕く突起がついています。ハサミを体の前で合わせると身体前面を覆います。
顔を覆い隠すような仕草から「ハズカシガニ」とも呼ばれています。かわいいですね。
確かに、かわいいですね。
ここから会社名が来ているんですよね。
カラッパのように普段は砂の中に潜みゲームを作り、時折現れてはプリティーな作品をお披露目する。そういうものにわたしはなりたい。と思い会社名に付けました。
ゲーム機は30年かけて、人間をカニにするための準備を進めていた
カニのモデルはどうやって作成されたのでしょうか?
北海道のふるさと納税で入手した、このハナサキガニで説明させてください。
色々な角度からカニを撮影します。
一般的なデジカメで200枚くらい撮ります。
その後、特殊なソフト(3DF Zephyr)に全画像を取り込みます。
20万ポリゴンあるので、ゲーム中でつかえるように2万ポリゴンまで削減します。
綺麗なデータをつくるには、手作業も必要です。
顔の細かい部分はつぶれてしまうので、自分で修正していきます。
最後に、ゲーム内で動くように関節データを仕込んで、モデルが完成です。
ハナサキガニ、茹でられる前はもっと暗い色なのですが、赤い方がカッコいいので、ボイル蟹カラーのままにしています。ちなみに、手に入らないカニは、図鑑などを見て1からモデリングしていますよ。
迫力がありますね。
前作『エース・オブ・シーフード』でも、魚のモデルを自分で作成されていましたよね。
はい、魚を直接スキャナーで取り込んでいました。
この時は、平面画像から立体のモデルを作っていました。
技術は進歩しましたね。
次作のアイデアは、何か考えていますか?
色々な案があり定まってないですが、やはり生き物はテーマにしたいです。
まずは取材や資料集めをしつつ、色々な実験をしていきたいですね。
次も魚介類なのかどうか、気になりますね。
最後にメッセージをお願いします。
スーパーファミコンでL/Rボタンが登場して以来、ゲーマーはひとさし指をカチカチ、カチカチと動かしてきました。
この動き、カニがハサミを動かす時の動きに似ていませんか?
そしてNintendo Switchでは両手が自由になり、どこでもみなカチカチ、チョキチョキ……
ゲーム機は30年かけて、人間をカニにするための準備を進めていたのかもしれません。
何を言っているか分からない…?
是非カニノケンカをJoy-Conの2本持ちでプレイしてみてください。
数分後にはあなたはカニになっていることでしょう。
ということで、これでみなさんカニになる準備はできたかと思います。
ぬっそさん、ありがとうございました。
『カニノケンカ -Fight Crab-』は明日、配信予定です。お楽しみに!
それではみなさん、よいインディーライフを!
©Calappa Games LLC.