「Hello! インディー」第1回 『スチームワールドディグ2』を掘ってみた!前編

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この「Hello! インディー」では、SOEJIMAとBOKUがおすすめのインディーゲームを定期的にピックアップして、みなさんに記事という形でお届けしていきます。

ゆる~いノリでインディーゲームのことを紹介したり、全然関係ないことを紹介したりとあまり定まっていませんが、楽しくやっていきたいと思っています。

見た目は地味でも、触ると魅力的な仕上がり!

今回、紹介するのは、このスチームワールドディグ2です!

「って、いきなりシリーズものの『2』からかい!前作やってないんですけど!」というツッコミを入れたそこのあなた、安心してください。僕も前作をプレイしてません。そんなことは関係なく『ディグ2』(長いのでいつもこう略しています)は、おすすめしたいタイトルなんです。

この『ディグ2』は、地面を掘りながら下へ下へと進む2Dアクションゲームです。
が…

ほ、ほう…

(ちょっと、地、地味だなぁ~~、というか、なんか暗い…。)

そう、パッと見、なかなか手が出しづらそうな雰囲気なのは否めない!

でも、この『ディグ2』のすごいところは、

手に吸い付くような操作感(もうこれに尽きます)

絶妙なゲームバランス(もう掘るの疲れた…と感じるころにツルハシがアップグレード!)

広大なダンジョンにさまざまなしかけ(たまに激ムズなしかけもあるがスルーしても大丈夫)

多数のやりこみ要素とユニークな説明文(なにこのアイテム!)

そして、新しい武器でできることが少しずつ増えていくワクワク感!
(こんなグラップラー感あふれる武器も登場!)

…と、いざプレイしてみると、魅力満載なのです。しいて文句を言えば文字が小さいことくらいでしょうか。(これを作った人は多分目がいい)
パッと見の世界観やキャラクターになじめなかったとしても、ゲーム自体は必ず手になじんでくれるはず。1人でできる、やりごたえのあるゲームを探している方におすすめです。

一度掘りはじめたら止められない、そんな『ディグ2』をぜひみなさんもプレイしてみてくださいね。
次回も引き続き『ディグ2』の魅力について紹介します。

制作者に聞いてみよう

さて、ここからは、「制作者に聞いてみよう」コーナーです! このコーナーでは僕らが紹介するゲームの制作者の方々から、コメントをいただきます。
記念すべき第1回のゲストは、『ディグ2』のローカライズ(※1)を担当した日本のパブリッシャー(※2)
株式会社フライハイワークスの黄(こう)さんです!

※1 ローカライズ:ローカライズとは、簡単に説明すると「ゲーム内の言語を翻訳すること」です。今回の場合は、英語から日本語への翻訳ですね。ただ、単純に英語を日本語に変えてゲーム内に組み込めばOKというわけではないんです。例えば、表示される枠に収まる文字数の単語を選んだり、読みにくい位置で改行が入らないように文言を調整したりと、ゲーム内での見え方に合わせることが重要なんだとか。さらに、ゲームの世界観に合うフォントを選んだり、国に合わせたタイトル名に変更したり、ゲーム内のキャラクターを少しだけ修正したりと、実はその仕事は多岐に渡るんです。(ここまで来ると、文化に合わせるという意味で「カルチャライズ」と呼ばれたりもします)

※2 パブリッシャー:ゲームを作る人や会社のことを「デベロッパー」と呼び、ゲームを宣伝して売る人や会社のことを「パブリッシャー」と呼びます。作る人売る人ですね。デベロッパーとパブリッシャーが分かれていることが多いんですが、デベロッパーがそのままパブリッシャーとなることもありますし、国や地域によってパブリッシャーが異なることもあります。例えば『ディグ2』では、Image&Formさんがデベロッパーかつ北米や欧州地域でのパブリッシャーで、フライハイワークスさんが日本地域でのパブリッシャーです。ややこしいですね…。

株式会社フライハイワークス:
Nintendo Switchで多数のソフトを販売する日本のパブリッシャー。常に複数のタイトルのローカライズを手掛けている割には社員数も少なく、任天堂社内では「黄さんは3人いる」という噂が流れているとか。

黄さん、こんにちは。さっそくですが『ディグ2』のローカライズへの思いを、思う存分話していただきたいです!(200文字くらいでお願いします。)

SOEJIMAさん、いいんですか本当に?
ただはっきり申し上げますと、まず頂いた文字数の制限に収められる自信がございません。

ありがとうございます、さっそく黄さんらしい熱いコメントですね…!
今回の『ディグ2』の翻訳のこだわりポイントはどこでしょう?

やはりまずは、イイ感じなカタカナの使用です。これはあくまで黄の個人的な考えですが、簡単に説明しますと……

あ、そもそもこれは『ディグ2』に限ったことではないのかもしれませんが、ゲームではテキストというのはAボタン連打でスキップされることが多いかと思います。短い文章内に難しい漢字が多すぎると、スッと頭に入って来ないと感じます。また、ひらがなが連続しすぎると文章の区切りがわかりにくく、こちらも読解に若干時間がかかってしまいます。(ほんの少しの差だとは思いますが)

そのため、普通はカタカナでは表記しないようなワードも、あえてカタカナで表記することが多いです。
・博士の事が嫌いなの? → ハカセの事がキライなの?
・素敵な服ですね → ステキな服ですね
・そんな筈は…! → そんなハズは…!
これに関してはあくまで黄個人のやり方なので正しいのかはわかりませんが、『スチームワールドディグ2』でも、あえてカタカナを使用している箇所はたくさんありますので、プレイする際にはぜひ気にしてみてくださいね。

な、なるほど!(うわぁ、いきなり200文字超えてますよ黄さんっ!)
でも、こうした“クスリと笑えるテキスト”って、細かい部分ではありますがプレイヤーとしても嬉しいんですよね。

そうなんです!
あとはアイテムのネーミングとフレーバーテキストですね。簡単に説明させて頂きますと……

ローカライズにおいて、アイテムの名前(ネーミング)とそれにまつわるひとこと文言(フレーバーテキスト)の書き方はかなり重要な課題です。短く端的な言葉が多いため、そのまま翻訳すると、「?」な名前になってしまうことが多いです。そのため、ゲーム内での用途や意味を汲みながら、日本独自のネーミングにしたものがかなり多いです。

たとえば、ストーリー後半で登場する「Unobtainium」というアイテムがあります。これは、Un(否定の接頭語)+obtain(入手するという意味)+ium(金属元素に使われる語尾)を合わせた造語で、非常に入手しにくいレアな架空の鉱物の名前なのです。このまま「アンオブテインニウム」という日本語訳にしても別に問題は無かったかもしれませんが、作者さんの意図を汲んで「テニイレラレネウム」というネーミングにしました。

手に入れられネウム!ですね。たしかに非常に入手しにくそうな名前になってますね。

また、各アイテムに関するフレーバーテキストも、ゲームをプレイしながら観察した結果、ゲーム本編とは関係なく、どんな文章でも問題ないんだなということがわかりましたので、結構遊びを入れさせていただきました。

「倍返しだ!」「親方!空から女の子が!」など、日本のユーザーさんなら元ネタがわかる人が多いだろうと思うものを入れましたので、ぜひフレーバーテキストも見ながら楽しんでみてくださいね。

熱いローカライズへの思いをお聞かせいただき、ありがとうございました!
普段なにげなく読んでいる文章にも、制作者側のこだわりがあるんですね。こうした「ローカライズ」があってこそ、海外で発売されているインディータイトルが、ここ日本でも快適に遊べているんですね~。

次回も『ディグ2』の魅力をまた紹介したいと思いますので、みなさんお楽しみに!

それではみなさん、よいインディーライフを!

SteamWorld Dig 2 © 2017 Image & Form International AB. "SteamWorld" is a registered trademark of Image & Form International AB.

edited by : SOEJIMA・BOKU
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