はじめに······暗黒竜と光の剣そして······ファイアーエムブレムがあった
今ではロールプレイングシミュレーションの
代名詞的存在となった『ファイアーエムブレム』。
その記念すべき第1作目、
『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』の
オープニングは、このような言葉から始まります。
ロールプレイングシミュレーション……
ロールプレイングゲームのようにキャラクターを
育てながらストーリーを進めていく
シミュレーションゲーム、
一言で言ってしまえばそうなってしまうかも
知れません。
しかし、それまでのシミュレーションゲームでは、
使い捨ての駒にすぎなかったユニットを、
個性あるキャラクターとすることで、『ファイアーエムブレム』は、
単なるロールプレイングゲーム+シミュレーションゲームには終わらない、
新しい楽しさを生み出しました。
はじめは弱かったキャラクターが、戦いを通して少しずつ成長していく喜び。
ピンチになっても、そのたびに窮地を救ってくれたキャラクターの頼もしさ。
敵だったキャラクターが、味方の説得によって仲間になったときのうれしさ。
これらはみな、「ユニット」=「キャラクター」だからこそできた
感情移入の賜物です。
そして、それは同時に、「ユニットを失わずにクリアするには?」
「ユニットをもっともっと育てるには?」といった、
それまでのシミュレーションゲームにはなかった
新たな戦略性をもたらすものでもありました。
プレイヤーの愛を注がれたキャラクターたちと、
シミュレーションゲームとしての高い戦略性。
それらは、中世ファンタジーの世界を舞台とした
激しい戦いを描いたストーリーによって彩られ、
多くのプレイヤーに楽しんでいただけるゲームになりました。
「はじめに……暗黒竜と光の剣、そして……ファイアーエムブレムがあった」
『ファイアーエムブレム』シリーズの物語は、
この言葉が表すとおり、「竜」と、「剣」と、そして「炎の紋章」の物語です。
従来からのプレイヤーも新規のプレイヤーも楽しんでいただけるように、
物語の舞台やゲームシステムが変わるなど、
作品ごとにさまざまな試みがなされてはいますが、
『ファイアーエムブレム』の原点とも言えるこの言葉は、
決して変わることはありません。
それは『ファイアーエムブレム』というゲームが、
これまで多くのプレイヤーの愛と、
新しい戦略性に対する冒険心で支えられてきたように、
これからも多くのプレイヤーに愛され、
プレイヤーの冒険心を刺激するゲームであり続ける……、
そのことの証しでもあります。