さて、今作はオンラインプレイ※19で、「ライブゴースト」という形でほかのプレイヤーが表示される仕組みがあるようですが、これは「いっしょに誰かとプレイしている」感覚を持つための仕組みなのでしょうか。
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最初の構想から
ただ、オンラインで世界中の人と遊ぶことはすごく面白い反面、 いくつか課題もあると思っていて。
たとえば対戦ゲームだと、強い人はたくさん勝てて嬉しいけど 初心者の人は負け続けて、すぐにやめてしまう。
協力ゲームだと、苦手な人が足を引っ張ってしまうかもしれない。
それから、ごく一部で、 マナーの悪い人がいてトラブルになってしまうようなことも考えられます。
そういうことのない、楽しいオンラインの遊びをつくりたい、と ずっと考えていました。
結果、導き出したのが「ゆるいつながり」というキーワードです。
「ゆるいつながり」ですか。それは具体的にどういうものなんでしょう?
基本的には、シングルプレイと同じ感覚で遊べます。
マッチングするまで待機しないと遊べないというわけではなく、 シングルプレイをしながら、 裏で自動的にマッチングしてくれるので、待つことはありません。
同じ時間・同じ場所で世界の誰かが遊んでいたら、 オンラインでつながって遊べます。
そうやって世界中のプレイヤーと、 「ゆるくつながる」ことを考えました。
オンライン上のほかのプレイヤーを 「ライブゴースト」と呼んでいますけど、 ライブゴーストにあいさつをしたら返してくれるかもしれないし、 アイテムが余っていたらくれるかもしれないし、 自分がミスしたら助けてくれるかもしれない。
でも、邪魔をされたり、攻撃されたりすることはない。
自分にとって良いことしか起きない、 そういう遊びができないかと考えていまの仕組みになっています。
確かにそれなら、「ほかの誰かがいる」ことを意識せずに、コースを楽しむことに集中できそうですね。
オンラインで世界のプレイヤーとつながるからこそ、
ワールドマップも、自由に歩けるワールドマップの上にということを 世界中の人がわらわら現れて一緒に行動する イメージしてつくっています。
2Dのマリオは、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』の辺りから、「みんなで遊ぶゲーム」というイメージがあるのですが、今作でこの「みんなで遊ぶ」ということの進化を見せようと意識されたんでしょうか?
はい、マルチプレイでさまざまな遊び方を用意することを
オンラインはもちろん、 これまでと同じようにおすそわけで4人で遊ぶこともできますし、 新しい要素として、おすそわけプレイでは ヨッシーのプレイヤーに乗ることもできます。
今回のヨッシー、背中にほかのプレイヤーキャラを乗せられるんですけど、
親御さんの方がゲームが得意ならヨッシーを操作して、 お子さんを背中に乗せて連れていってあげられます。
それから、
こういうのはみんなで遊べるように意識したところです。
『ピクミン』の「開発者に訊きました」でも、宮本さんが「ぜひリビングで遊んでほしい」とコメントしていましたが、今作もお話を聞いていると、リビングで家族で遊んでいるイメージが浮かびますね。
はい、本作もぜひご家族で遊んでもらいたいですね。
初めての方でも、ダメージを受けないヨッシーやトッテンで 参加してみてほしいですし、 おすそわけの場合、プレイヤーの残り数は共有になっているので お互いに助け合う気持ちで進めてもらえると思います。
今作では一人がミスしてもすぐに残り数が減るのではなく、 タマシイとなっている5カウント以内に助けてもらえれば減りません。
より複数人で遊びやすくなっていると思いますよ。
今回チームのスタッフが遊んでる様子を見ると
これまでのマルチプレイの反応以上に みんなが大きな声を出して楽しんでいて、 これは推せるなあと思っています。おすそわけプレイでは、
動画「透明」とか「ジェットラン」とか トリッキーなバッジもつけられますし、 難しいコースだからみんなで強力なバッジで挑もう!って 相談するのも楽しいと思います。
ワールドマップで自由にコースを選べるのも、 盛り上がりポイントかもしれません。
わざと難しいコースや、難しいバッジを選んで みんなでわちゃわちゃ楽しむのもおすすめです。
みんなでマルチプレイで楽しむことも、オンラインで世界中のプレイヤーとゆるくつながって楽しむこともかなり意識してこだわっておられることが理解できました。
それでは、最後になりますが、一言ずついただけますか。
今回の新しいマリオは、本当にたくさんの新しい遊びがあって
サウンド関連では、「リズムジャンプバッジ」という 4拍目にジャンプするバッジがありますが、 どのコースで使っても気持ちいいので、遊んでみてほしいですね。
それから、オンラインの「ゆるいつながり」は 今回一番の発明だったと思います。
僕もNintendo Switch Onlineに入っていますけど、 オンライン対戦は苦手なので、 対戦の少ないファミコンのゲームを中心に遊んでいて・・・(笑)。
でも今回の「ゆるいつながり」なら、 オンラインの場にも安心して出ていけそうな気がします。
今作は、マリオをはじめキャラクターたちの魅力を伝えるために
注意深く見ていただくと、こんな動作もするんだ! と毎回発見があると思います。
冒険の舞台も「フラワー王国」という まったく新しいシチュエーションになるので 新たな気持ちで2Dマリオを お楽しみいただけるんじゃないかと思います。
そういうところにも注目していただいて、 2Dマリオやマリオのキャラクター自体にも より興味をもっていただけると嬉しいなと思います。
Nintendo Switchが発売された年には
今度はそういう方たちに、2Dマリオに興味を持ってもらえる きっかけになれば、と思います。
3Dマリオでの楽しい記憶がある方にも満足していただけるような、 次から次へと新しい驚きや楽しさが続くものがつくれたと 自分としては思っています。
あとは、今作のワールドマップは 立体的な構造になっていて、探索ができるようになっています。
今作の開発チームにも3Dマリオを開発したスタッフがいるんですけど 彼らとも一緒につくったものなので、マップの探索も楽しんでいただければ。
3Dマリオで登場する、あの隠しキャラもいるので、 ぜひ見つけてみてください。
今回はやはり、自由に遊んでいただきたいというのがあります。
シングルプレイ、おすそわけプレイ、オンラインプレイ・・・ 遊び方は完全に自由です。
コースも自由に選べますし、 コースの中でワンダーを起こすか、起こさないのかという選択も自由。
どのバッジをつけるかも自由です。
難しければダメージを受けないヨッシーやトッテンを使ってみたり、 オンラインにつなげれば、そこに現れるプレイヤーは あなたにとって良いことしか起こさないので きっと助けになってくれると思います。
ぜひ最後まで挑戦してみてください。
オンラインの遊びは
2Dマリオ、3Dマリオという話もしましたが あまりそのあたりの先入観を持たずに試してみてもらいたいですね。
今後も、2D、3Dにかかわらずマリオの遊びはつくり続けますので、 好きでいてほしいなと思います。
それから、僕が「無茶ぶり」が多いような話も出ましたが(笑)、 近藤さんの言うように ハードの制約もある中で、面白い遊びを生み出すためには 制約を超えるような創意工夫が必要で、 そうやって生まれたものが楽しいんだと思います。
「無茶ぶりだー!」ってそのまま受け止めるのではなく 「それってこういうことで解決できるんじゃないの?」って ほかのメンバーからも提案してもらえるような関係性をもって ゲームづくりを続けていきたいですね。
・・・って最後は開発メンバーに向けての コメントになってしまったけれど(笑)。
そういえば、開発中に手塚さんがおっしゃったことを
今日はそれを持ってきました。
そうなの?(笑)
今の話って、これにつながっているのかなって。
ああ、ここに書いてあることは、
すべて実現されているじゃないですか!みんなでアイデアのキャッチボールをしていると、
「全然まだつくれるな」って今回思いましたね。
マリオのゲームは、まだまだ続きますよ!
今作でさらに新しい発見と変化があるマリオの世界を、みんなで楽しませていただこうと思います。ありがとうございました。