生物に寄生して死に至らしめ、
DNA情報を元に擬態する恐るべき生物「X」。
不覚にも寄生されてしまった私は、
「X」の天敵であるメトロイドから生成された
ワクチンにより一命を取り留めたばかりか、
銀河の平穏を脅かすこの生物に対抗可能な
唯一の存在として生まれ変った。
そしてフルスペック状態の自分自身の擬態
「SA-X」との死闘の末、
ついに「X」を惑星「SR388」もろとも
全滅させることに成功した。
ところが……
時が経ったある日、
あろうことか「X」の存在を示す映像が
銀河連邦本部に送信されてきた。
連邦は発信元と見られる未踏の惑星「ZDR」に、
調査ロボット「E.M.M.I.」7体からなる
特殊部隊を派遣し、実態解明に乗り出したものの、
その部隊は「ZDR」到着後
原因不明のまま消息を絶ってしまった。
果たして「X」は実在するのか?
そして「ZDR」で何が起きているのか?
現地に赴くことができるのは、
「X」への耐性を持つ私をおいて他にはいない……
……ここはどこだ? 私はなぜ倒れているのだ?
私の目があるモニュメントを捉えた。
すると……
ここで気を失うまでの記憶がリアルに蘇ってきた。
「惑星ZDR」の深層部に到達して程なく、
そいつは現れた。
ただならぬ威圧感を放ち
立ちはだかった
その「謎の鳥人族」は、
高出力のビームを
そいつは、その巨体にそぐわぬ俊敏さで
襲い掛かってきた。
身に
私の攻撃をことごとく無効化してしまう。
一瞬の隙を突き、
攻撃の糸口が見えたと思ったのも束の間、
そいつは瞬時に間合いを詰め、
自由を奪われ、為す術のない私に
とどめを刺すつもりなのだろう。
そいつはビームをチャージしながら
ある言葉を発した。
「
私は、この言葉の意味を知っている……
薄れゆく意識の中で、
自分の身体に生じる異変を感じていた。
そして、何かが沸き上がるような感覚が
ピークに達したところで
私の記憶は途切れたのだった。
……今、私は確かに生きている。
あの「謎の鳥人族」は、
なぜ私を放置して姿を消したのだろう。
気づけば私の装備は初期状態になっていた。
あの時自分の身に起きた異変は
何だったのだろう。
そして……
左手に残るこの違和感は?
考えている暇などない。先を急ごう……