皆さん、『ピカ・チャン』観ていますか! バトルおにいさんが、ポケモンバトルの楽しさをわかりやすく教えてくれる番組です。ニンテンドーeショップとYouTubeにて配信中で、本日(7月13日)その第6話が公開されています。「ポケモンバトルって何だか難しそうで手を出しにくいんだよなぁ」と迷っているあなたにおすすめの番組です!
『ピカ・チャン』を観ると、「よしっ、ポケモンバトルに挑戦してみよう!」と気分が盛り上がりますよ!
おひさしぶりです! 『ポケットモンスター』シリーズの公式ガイドブックを約20年間に渡って制作している、元宮秀介です。今回から5回に渡って、初心者に向けた、ポケモンバトル講座を開設します。『ピカ・チャン』と連動し、一歩進んだバトルテクニックを僕が伝授していきます。『ピカ・チャン』ではバトルおにいさんが大活躍をしていますが、バトルおにいさんより長くポケモンバトルの魅力を子どもたちに教えてきた僕は、さしずめ“バトルおじさん”ですね。『ピカ・チャン』を観た後に読めば、ライバルにグーンと差を付けられますよ!
『ピカ・チャン』第2話「タイプを知らなきゃ はじまらない」でも紹介しているように、ポケモンには、タイプがあります。たとえばフォッコなら「ほのおタイプ」、ハリマロンなら「くさタイプ」、ケロマツなら「みずタイプ」です。ご存知ですよね? ポケモンだけでなく、わざにもタイプがあり、タイプには、「強い、弱い」の関係があります。
ほのおタイプは、くさタイプに強い。
くさタイプは、みずタイプに強い。
みずタイプは、ほのおタイプに強い。
身の周りに、この関係性によく似ているものがありますよね。そうです、じゃんけんです。ポケモンのタイプの基本は、「じゃんけんのグー、チョキ、パーと同じ」と考えてください。かんたんでしょ? この「強い、弱い」の関係を、「タイプの相性」と呼びます。
ところで、現在、ポケモンとわざのタイプは何種類あるか、知っていますか? 18種類です。18種類のタイプにはそれぞれに相性があり、ポケモンバトルの奥深さを生み出しています。
しかし、「18種類もあるから、相性がぜんぶおぼえられない!」と嘆いている人も多い、と聞いています。大丈夫ですよ、僕も時々忘れますから!……というのは冗談ですが、そんなに完璧に覚えようとしなくてもいいのです。『ピカ・チャン』で、バトルおにいさんも言っていましたが、ポケモンバトルを楽しんでいるうちに自然に身に付きますよ。
「それでも不安だ」という意見があるのはわかっています。ポケモンバトルに挑むなら、準備は万全にしたいですものね。そこで、今回は「自然の法則で覚えるタイプの相性」を伝授しましょう。ポケモンのタイプには、くさ、ほのお、みずのように、自然の世界をテーマにしたものが多いです。これらのタイプの相性は、自然の法則にあてはめると、スーッと頭に入りやすいのです。
たとえば、
ほのおタイプが、くさタイプに強いのは、炎が草を燃やしてしまうためです。
くさタイプが、みずタイプに強いのは、草が水を吸い取って成長するからです。
みずタイプが、ほのおタイプに強いのは、水で炎を消してしまうからです。
それぞれの様子を頭の中で思い描いてみましょう。……どうですか、納得できたでしょう。
「自然の法則」に当てはめると覚えやすいタイプの相性は、ほかにもたくさんあります。
たとえば、
こおりタイプは、くさタイプに強いです。氷の冷たさで、草を凍らせてしまうのです。
どくタイプも、くさタイプに強いです。毒の効果で草がみるみるうちに枯れていく様子をイメージしてください。
応用として、はがねタイプの相性も紹介します。鋼は岩や氷よりも硬いので、いわタイプや、こおりタイプに強いです。しかし、火に溶けるので、ほのおタイプには弱いのです。
相性に迷ったときは、このように自然の法則を思い出してください!
ちなみに、自然の法則とは少し異なるのですが、氷河期に恐竜が絶滅したという説があることから、こおりタイプはドラゴンタイプに強い、と覚えている人も多いようです。
ここに挙げたように、タイプの相性がいいと、ダメージが大きくなりますし(「こうかはばつぐんだ!」)、その逆だと相性が悪いので、通常よりダメージが少なくなります(「こうかはいまひとつのようだ」)。
また、タイプには決定的に相性の悪い組み合わせがあり、まったくダメージを与えられない場合もあります。たとえば、でんきタイプのわざは、じめんタイプのポケモンに一切ダメージを与えることができません(「こうかがないみたいだ……」)。地面の土が電気を吸収してしまうのです。それ以外にもダメージを与えられない相性がありますので、それもうまくバトルに活用すると、自分だけのテクニックが見つかるかもしれません。
ポケモンバトルで勝利するには、ポケモンに強いわざを覚えさせることが大切です。では、「わざの強さ」って何でしょう? 『ピカ・チャン』第3話「その技、しっかり効いてるかい?」でも紹介されていますが、わざの強さは、基本的には「威力」で示されます。たとえば、ピカチュウなどが覚えるわざ「10まんボルト」の威力は、「90」です。威力は、「100」が強さの目安なので、「10まんボルト」は強いわざ、と言うことができます(※元宮調べ)。バトルに出すポケモンには、威力が100前後のわざを覚えさせる。これを基本にするといいでしょう。
ただし、注意してほしいことが2つあります。「命中」と「わざの効果」です。
1つ目の「命中」は、そのわざの当たりやすさのことです。命中が100のわざは、相手に必ず命中します。
ところで、わざには、命中が低くても、一発逆転を狙えるものも存在します。わざ「ぜったいれいど」や「じわれ」は、命中が30とかなり低いのですが、命中すれば、相手を一撃で「ひんし」状態にできるのです! こんなわざがあることも知っておきましょう。しかし、ポケモンバトル初心者のみなさんは、まず威力が100前後で、命中が100のわざを選び抜いて、自分のポケモンに覚えさせるといいですよ。
2つ目の「わざの効果」です。ポケモンのわざには、ダメージを与える以外にも、自分や相手に効果を及ぼすものがあります。その効果の中には、自分を不利にしてしまうものがあります。
たとえば、ひこうタイプのわざ「ブレイブバード」は、威力が120もあり、命中が100という魅力的なわざです。ただし、相手を攻撃した後、相手に与えたダメージの3分の1のダメージを、自分でも受けてしまいます。つまり、わざが強力すぎるために、自分もダメージを受けてしまうのです。戦況によってはピンチを招いてしまう危険性があります。
ポケモンバトル初心者のうちは、自分に不利になる効果を持つわざは避けたほうがよいでしょう。
ポケモンのわざのダメージを増やすテクニックはいくつかありますが、この3つが基本になります。
テクニック1)相手の弱点となるタイプのわざを使う=ダメージ2倍!
テクニック2)ポケモンのタイプと同じタイプのわざを使う=ダメージ1.5倍!
テクニック3)わざを急所に当てる=ダメージ1.5倍!
それぞれのテクニックをくわしく解説していきましょう。
テクニック1)の「相手の弱点となるタイプのわざを使う」は、すでに解説したとおり、タイプの相性を利用したテクニックです。アチャモがいわタイプのわざ「いわなだれ」で、ひこうタイプのキャモメを攻撃したら、「こうかはばつぐんだ!」となり、通常の2倍のダメージを与えられます。ポケモンバトルでは、このようにタイプの相性を利用して、「こうかはばつぐんだ!」の攻撃をくり出すことが、とても重要になります。
テクニック2)の「ポケモンのタイプと同じタイプのわざを使う」は、ポケモンとわざのタイプをそろえるテクニックです。たとえば、かくとうタイプのハリテヤマが、同じかくとうタイプのわざ「めざましビンタ」を使うと、わざのダメージは通常の1.5倍になります。ただし、ハリテヤマが、ノーマルタイプのわざ「きつけ」を使っても、ダメージは通常のままです。
テクニック3)は、ポケモンがわざをくり出して相手を攻撃するとき、たまにわざが相手の急所に当たることがあります。わざが急所に当たれば、通常の1.5倍のダメージを与えられます。
わざが急所に当たるのは、運次第です。しかし、急所に当たる確率を上げるテクニックがあります。「はっぱカッター」のように「急所に当たりやすい」効果のあるわざを使ったり、「ピントレンズ」のように「攻撃が急所に当たりやすくなる」どうぐをポケモンに持たせたり。
ポケモンバトルでは、常に「どうすればダメージを増やして攻撃できるか」を考え、実行することが大切なのです。
『ピカ・チャン』第1話 「おにいさん、あらわる」では、バトルおにいさんがレベル10のホルビーをくり出し、つっきーのレベル70のミュウツーをあっさりと倒してしまう場面があります。ホルビーとミュウツーのレベル差は60もあるというのに! バトルおにいさんのテクニックは魔法のように見えるかもしれませんが、おにいさんは“定番”と言えるテクニックを使っています。「コンボ」です。コンボとは、ポケモンのわざやとくせい、どうぐなどの効果を組み合わせ、さらに強力な攻撃をくり出すテクニックなのです。
バトルおにいさんのホルビーは、どうぐ「きあいのタスキ」+わざ「がむしゃら」+わざ「でんこうせっか」のコンボを使っています。
「きあいのタスキ」は、「ポケモンに持たせると、HPが満タンから「ひんし」状態になるダメージを受けても、HPが1残る」どうぐです。「がむしゃら」は、「相手のHPから自分のHPを引いたぶんのダメージを与える」わざです。「でんこうせっか」は、「必ず先制攻撃ができる」わざです。
バトルの中で、つっきーのミュウツーは、わざ「サイコキネシス」を放ちます。「サイコキネシス」の威力は90。ミュウツーと同じエスパータイプのわざですから、ダメージは1.5倍に上昇しています。
しかし、バトルおにいさんのホルビーは、わざ「サイコキネシス」を受けても、どうぐ「きあいのタスキ」の効果がはたらき、HP1で持ちこたえます。そして、わざ「がむしゃら」を放ち、247もあるミュウツーのHPを一気に1にまでへらします。最初のミュウツーのわざで、ホルビーのHPが1になることを見越しているわけですね。次のターンで、バトルおにいさんのホルビーは、わざ「でんこうせっか」で先制攻撃を仕掛け、ミュウツーを「ひんし」状態にします。
レベル10のポケモンでも、レベル70の強いポケモンに勝てる。これがポケモンバトルの面白さであり、奥深さです。
ちなみに、この見事なコンボですが、失敗させることもできます。たとえば、ミュウツーが最大HPの4分の1を回復する「オボンのみ」を持っていたら……。コンボは失敗し、ホルビーは倒されてしまいます。
このようにどんな戦術にも、それをくずせる戦術が存在します。「こうすれば絶対に負けない」という必勝法は存在しません。それがポケモンバトルなのです。
バトルおにいさんは言いました。
「ポケモンバトルというものは戦い方によってはいくらでもチャンスがある」。
「ポケモンバトルには無限の可能性がある」。
これから、ポケモンバトルの深遠な世界を探検していきましょう。
パートナーのポケモンたちと一緒に。
あなたはいま、世界の入り口に立ったばかりなのです!
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