ゲームが完成するまで導く、
というところにはこだわりがあると伺っているのですが、 最後までやってもらうための工夫みたいなものはありましたか?そうですね・・・
「ゲームづくりが楽しい」という気持ちも、
もちろん大事なのですが、 そのゲームづくりの中で
「一つひとつの機能をちゃんと完成させる体験」を してほしいと思いながら開発しました。
「一つひとつの機能をちゃんと完成させる体験」というと、
つまり・・・?「ゲームづくりそのもの」も楽しいのですが、
これは開発者としても プログラミングの面白いところだと思っていますし、 それをお客さまにも実感していただきたいんです。
「ほかのプログラミングソフトのチュートリアルでは、 なかなか最後までたどり着けなかった」といった声も聞こえていました。
だからこのソフトでは、 この小さな完成体験を繰り返していただくことで、 絶対にゲームを最後までつくってもらおうと思っていました。
なるほど。
「完成させることがうれしい」という感情に
スポットを当てたのですね。
完成させることの楽しさや、達成感を伝えられるように、
以前「Yahoo!きっず」さんと一緒に開催した、 『Nintendo Labo』のToy-Con ガレージVRの体験会を
見学したことがありまして。
今回のソフトでいうところの 「スティックノードン+ヒトノードン=スティック操作でヒトを動かせる」 という簡単なプログラミングを、 初心者の方々に体験してもらったんです。
そうしたら、いざ、ヒトが動き出した時、 「おおっ!!」と会場に大きなどよめきが起こって、 こちらがびっくりしてしまって(笑)。
開発者にとっては当たり前のことも、
それが当たり前でない方には驚きですよね。はい。
プログラミングをされたことがない方って、 「自分のプログラミングでモノが動く」ということに、 こんなに感動されるんだ・・・!と、 そのときのことがすごく印象的でした。
この経験は今回のゲーム開発の中でも意識しています。
それは大きな気づきですね。
自分で手を動かして
プログラミングでは、通称「写経」と呼ばれる、 見本のプログラミングコードを書き写すことで プログラミングを学ぶ、という学習方法があります。
この方法は効果的なので、参考にしています。
なるほど、書き写せば
間違いなく最後までたどり着くことはできますね。はい。
ただ、写経で起こりがちなのが 「間違って入力しても気づきにくいこと」で、 入力ミスがあるとプログラムが完成しないんです。
もちろん、どこが間違っているかを自分自身で調べることも、 プログラミングの勉強として
とても役に立つことではあるんですが、 このソフトではナビを使って入力ミスで迷わないようにして、 「完成させる体験」を前面に押し出すべきだと思いました。
だから、すごく丁寧にナビして、
「ゲームを完成させる」というところまで導いていくようにしたんですね。はい。
動画「ナビつきレッスン」は、 7つのレッスンの中に1つ5分程度で終わるステップがいくつかあり、 その積み重ねで少しずつ次のステップに進む、 という形を取っています。
小さな完成体験を繰り返して、 だんだんゲームの完成に近づけていく、 という仕組みです。
でも、途中で中断して、日にちが経ってしまうと、
前のレッスンの内容を忘れて進めなくなってしまったりはしませんか?確かに一つ前のレッスン内容を前提に
次のレッスンが進んでいきますが、 前のレッスンの内容を思い出さないと進めない、 ということはありません。
記憶を呼び起こさなければできない という場面はできるだけなくして、 その場その場の指示に従えば 先に進めるようにつくっています。
なるほど、それなら安心ですね。
実は、レッスンのレベルが上がっていき、
でも、操作の自由度を上げて指示を隠してしまうことで、 つくり方がわからなくなって、 つくることを諦めてしまわれては、 何もいいことはなくて・・・。
プラモデルでも、途中までしか説明書がなかったら、
やはり完成までたどり着けるからこそ、楽しいわけで。
そうなんです。
このソフトでも、とにかく最後までミスがないように、 なんとか自分自身の手で完成させられるように・・・
という構成を意識していました。
また、動画レッスンとレッスンの間に 「チェックポイント」と呼ばれるパズルのような問題もあるので、 そこでは「自分自身で理解してできた」という体験も できるようにしています。