さて、そういうわけで、実現性度外視で「なんかおもろいやつ、わかりやすいやつちょうだい」から始まった自由な発想の積み重ねが、「コントローラーも込みで、段ボールでつくる」までたどり着いたわけですね。
たまたま、ソフトの試作チームに工作好きな人が多くいたからこうなったのかも。意図的に集めたわけではないんですけどね。
その人たちが集まって、あれやこれや作っていると、その過程も面白かったということでしょうか?
かもしれません。ソフトメンバー側で最初の試作をしていた期間は、実質3週間くらいですね。
たったの3週間!?
その3週間で10個とか20個とか、いろいろできて。まあ、しょうもないものも多かったですけど。
アイデアラッシュですね。
はい。そういうことも経て、何の巡り合わせか、Joy-ConのIRカメラを作っていた小笠原さんが、「段ボールおじさん」になったわけです。
そうですね。
もともとは電子技術が専門の人なのに、段ボールを作っているという(笑)。
ハードメンバーの人の来歴も、面白いですね。Nintendo Switch本体やJoy-Conの機構全体を担当していた人が「バイク」の設計をしていたり、Nintendo Switch本体のスタンドを作っていた人が「ピアノ」の設計をしていたり・・・。
Toy-Conをデザインしている人も、もとはプロコン(Nintendo Switch Proコントローラー)をデザインしている人なんですよね。
それはなかなか興味深い話ですね・・・!
「ゲームにはどんなコントローラーが一番いいのか」ということを突き詰めている人が、Toy-Conのデザインを手がけているってことなんですよね?
彼らがいたからできた、というところが相当あります。
ソフトの人たちだけでは、ここまで設計できなかったので。
それは、意図して人を集めたのではなく、偶然集まったんでしょうか?
そうですね。このプロジェクトに対して、面白いと感じて、同じ想いをもった人たちが運よくプロジェクトのメンバーとして入ってきてくれたなと思っています。そこはラッキーだし、ありがたいなと思います。
こういう話になると、どうしても段ボールの設計の話に偏ってしまうのですが・・・ゲーム部分のプログラム、アート、サウンドもすごく「気持ちいい」ものになるよう仕上げました。「つくる」の先に「あそぶ」「わかる」があることがこの商品のすごく大きな部分なので、そこはぜひ実際に触って確かめてほしいです。メニューのボタンを押すだけでも、とっても楽しいですよ!
すみずみまで反応が気持ちいいんです。ソフトもめっちゃこだわって作られてます。
ソフトのアートディレクターをしている2人も、『ゼルダ』や『どうぶつの森』を作っていた人だったりするので、本当に運よく、ソフトもハードもいいメンバーが集まったなぁと思います。
プログラマー陣も、突然リモコンカーの自動走行モードを勝手に作って見せに来てくれたり、そういうイケてるメンバーが集まってます。