さて、これからたくさんの方に『Nintendo Labo』に触れていただくことになると思います。最後にもう少しだけ教えてください。
『Nintendo Labo』は、段ボール素材なので耐久性に限りがあると思うんですけど、そういう場合のために替えのパーツのようなものはあるんでしょうか?
替えパーツは、シート単位で任天堂パーツ販売のページで販売予定です。
設計の段階で、耐久性も考慮しています。作りやすさも考えたうえですし、もちろん段ボールですので、限界はあるんですけど。すぐには壊れることがないような設計を行って、そのあと評価部門で、同じ動作を何百回、何千回と繰り返すなど、必要な検証は行っています。
それから・・・少しだけ脱線してしまうのですけど、ここでお伝えしておきたいんですが。
ぜひお願いします。
段ボールは、日本では再生紙を使用しているものが多いんですね。
再利用って、違う言いかたをすると、「いろんな物質が含まれている可能性がある」んです。さらに、『Nintendo Labo』は日本・北米・欧州の3地域で生産しており、お客様への安全性を確保するため、各地域には段ボールに関するさまざまな規格が存在します。それぞれの段ボールが各地域の規格に合格しなければならないんです。
そのため、設計初期段階から必要な規格を満たすように確認を重ね、安全性の高い段ボールを使用しています。
なるほど。小さいお子様に安心して使っていただけるという点で、大切なところですね。
また、これからお子さんたちに作ってもらって、遊んでもらう中で、「自分で作ったものだから、壊れたら自分で直したい」っていうお子さんたちもいると思うのですが、そういうことは推奨していますか?
もちろんです。開発過程でも作ったり、直したり、調整や工夫の繰り返しでしたし、その一連の経験も楽しくて、そうしているうちに、「アレをつけてみよう」とか、「ここはこんな色がいい」とか、アイデアにつながってきて、自分だけのToy-Conができて・・・と。修理もまたクリエーションだなと思います。
あとは、自分で修理するやりかたについて、ゲーム内の映像でも紹介しています。
ソフトの「わかる」のところに、「こうやって修理しよう」とか、「こういうことはやっちゃダメ」というような動画を入れています。
「デコる・なおす」っていうコーナーがあって、「こうすると強くなる」とか、そういうことも教えてくれるようになっていますよ。
そうなんですね!
「破れたダンボールをなおそう」とか、「切れた輪ゴムを取り替えよう」とか「パーツがちぎれちゃったら、マスキングテープでデコるとオシャレだよ」とかですね。
そこも『Labo』の「わかる」の一部なんですね。
また、小さいお子さんのいるご家庭だと、自分の子供が本当に作ることができるのかどうか気になると思うのですが、モニターテストなどの様子なども踏まえて教えていただけますか?
はい。親御さんに伝えたいのは、「たぶん、親御さんが思っているよりお子さん自身で結構できちゃうと思うので、ちょっと最初は任せてみてください」ってことです。
もちろん全員が全員、できるわけではないと思うんですけど・・・。
親御さんが我慢できずに手を出してしまうことが多かったのですか?
「手伝わないとうまくつくれないんじゃ?」と考える親御さんはいらっしゃると思います。むしろその方が自然というか・・・私も親なので。それと、自分が作りたいだけかもしれませんけどね(笑)。
見た目が幼いだけで、お子さんは集中力とか、能力とか、気概みたいなのはもう十分持っていると感じたので、一回ちょっとお子さんだけでやらせてみてほしいですね。
よく、モニタールームでお子さんの様子を見ていた親御さんも、びっくりしていました。「うちの子にはできないと思っていたけど、意外とすごかった!」って。
モニターを経て、わかりづらそうなところは徹底的に設計し直しています。
「ここは難しかったから、直そう」って。設計の磨き上げはかなり頑張りましたよね。
でも、苦ではなかったですね。
それはどうしてですか?
たとえば、「前のモニターではここで引っかかっていたけど、ここで設計変更をしたら、次のモニターからは引っかからなくなった」っていう瞬間は、ものすごく嬉しくて・・・。それをご褒美に、モチベーション高く進めていけたんだと思います。
ちなみに、お子さんの集中力や、組み立て時間のことは意識していましたか?
日・米・欧のさまざまな都市で実施した「Nintendo Labo CAMP」(※)でも、休憩時間になっても作り続けてくれたお子さんが多く見られたようです。
※「Nintendo Labo CAMP」:日本・北米・欧州の各地で実施された、『Nintendo Labo』を親子で体験するイベント。日本では東京と大阪で実施された。体験会の様子やコメントについてはこちら。
もちろん、一気に最後まで作る必要はないので、自分たちのペースに合わせて作ってもらえると思います。
組み立てているときによくわからないところが出てくるとやめたくなっちゃうので、なるべくそういうところは取り除いています。
年齢や性別で傾向的な違いなどはあるんでしょうか?
実際は、個人差のほうが大きいと思いました。
組み立て時間を3~4時間としている「ロボット キット」も、2年生の女の子が集中力をきらさず1人で作っていたりしましたし。
組み立てたあとは、「楽しかった」って言ってくれる子も多かったですね。
お子さんに興味さえあれば、作れてしまうような感じでしょうか?
そういうお子さんもいらっしゃると思います。
とはいえ個人差があるはずなので、目安として6歳からは親御さんと、10歳からはひとりで、と案内しています。
これは個人の感想なんですが、モニターを通して、8~9歳ぐらいに「子の親離れ」と「親の子離れ」が重なるタイミングがあるんじゃないか?と感じました。個人差はありますが。このタイミングは『Labo』をプレイしていただくとても良いタイミングの1つと考えています。
小さなお子さんは「あそぶ」だけでも楽しめますし、大人でも新鮮な驚きは十分に得られますよ。
「子供でも楽しめる」ようにはなってますが、「子供向け」ではなく「人類向け」に作ってます!
ありがとうございます。これから、たくさんの方に『Labo』に触れていただくのが楽しみですね。お子さんたちが、どんなものを作るか、気になりませんか?
なりますね。
気になります。
それはすごく楽しみです!
でも・・・僕、もうないと思いますよ。
(笑)
「作り手としてはもうない、すべて考え尽くした」と(笑)。
わかりやすくて、Nintendo Switchでしかできなくて、なおかつ面白いのは、もうないと思いますね。
言っちゃいましたね。もしスゴイものが出てきたら、どうするか考えておいてくださいね。
(笑)
2回にわたって、開発者の3名にお話を訊いてきましたが、いかがだったでしょうか?
4月20日の『Nintendo Labo』発売まであと少し。楽しみにお待ちいただければ幸いです。
お読みいただきありがとうございました。