#08 宇宙服について

我々人類にとって宇宙は身近なものになってきてはいるが、まだまだ危険な場所であることを疑う余地はない。この惑星PNF-404も例外ではなく、生命維持装置なしには、ほとんどの人々は生きられないだろう。
今回は、そんな過酷な環境での活動を可能にする宇宙服とその装備について、レポートしていこう。

TOPIC 1 各部位の機能

まえ
ヘルメット

人体に有害なガスや真空を遮断して、過酷な環境下での活動を可能にする

スマートファブリック

繊維に生物由来の色素胞が編み込んであり、電気で色を自在に変えられる

耐性アンダーウェアで、さまざまな機能の追加もできる(メーカーオプション)

笛

通信機が聞こえない際に、音の長短や光の点滅によって合図を行う

気圧調整ゲージ

宇宙服内の気圧・温度・湿度を管理し、快適な状態に自動調節する

アンビリカル 結合部

宇宙船と接続することで、バッテリーの充電と、空気や水の補給ができる

ヘルメット スマートファブリック 笛 気圧調整ゲージ アンビリカル 結合部
うしろ
ライト

宇宙服と連動した色で点灯して周囲を明るく照らし、緊急時には点滅して居場所を知らせる

生命維持装置

宇宙服内の空気の組成を一定に保ち、着用者の生命の危機を察知すると、スリープモードを発動する

アンテナ

乗組員同士で無線通信ができるほか、緊急時には救難信号を発信する

ブーツ

気密性や耐久性に優れ、真空や水中、低重力や高重力の環境でも快適に歩くことができる

グローブ

しっかりものがつかめるように握力を補助するほか、はめたままでタブレットの操作も可能

スリープモードとは?

着用者を人工的な冬眠状態にすることで長期の生命維持を可能とし、救難信号を発信して救助に備える機能。
宇宙服内に凍結ガスが充満する影響でヘルメットはくもり、消費電力を抑えるためにスマートファブリック機能は解除される。

耐性アンダーウェアとは? アンチ・エレキ フレア・ガード サーモ・カイロ

宇宙では、灼熱の炎やてつく冷気にさらされることも珍しくない。
これらのアンダーウェアを宇宙服の下に重ね着すれば、どんな過酷な環境でも快適に活動できるようになる。

ブリトニー氏の見解

オシャレと機能性は相反するものよ。
どっちを取るかは、永遠のテーマともいえるわね。

TOPIC2 笛

通信機が使えないときに備えて、ヘルメットの下部に備えつけられているこの笛の音に、どういうわけかピクミンが反応を示すようだ。
カギヤ星の科学者ラッセル氏に、さまざまな笛とその効果について話をうかがってみた。

通常の笛 ラッセル氏の見解

ピクミンには、特定の周波数の音に反応する性質があるのだよ。
すなわち、彼らを集めたり解散させたりすることも自在ということだ。

トツゲキ笛 ラッセル氏の見解

生物の生存戦略のひとつである、集団行動の欲求を刺激する笛だ。
周波数を変えれば、ピクミンをトツゲキさせることもできよう。

セイレツ笛 ラッセル氏の見解

ピクミンが整列せずにはいられなくなる、音色があるようだ。
我に音楽的な知見はないが、
実に興味深い……。

オッチンの遠吠え ラッセル氏の見解

訓練された救助犬は、笛と近い周波数で遠吠えできるのだよ。
我のトツゲキ笛をマネることはさすがにできんようだがな、ククク……。

TOPIC3 デザイン

宇宙服は身を守るための必需品ではあるが、そのデザインは個性的で、ファッション性も高い。
今回は、スペース・スタイリストのプデル氏に、いくつかの宇宙服をファッションチェックしてもらった。

スタイリストのプデル氏
ワンポイント

コストカットのあおりを受けた旧型のスーツね。
右胸の赤と青のランプがノスタルジーを感じるわ。

生命維持装置のバッテリーも、
30日しかもたないみたい。
惑星探索するには、ちょっと心もとないわね。

ワンポイント

渋い大人のエグゼクティブ・スーツね。胸の大きな2つのボタンが、いいアクセントになってるわ。

オタカラを見て、よだれが止まらなくなっても安心のスタイ付きよ。だけど、服に着られている感が抜け切れてないわね。

ワンポイント

スペースファッション「かみとば」の最新モデルね。グローブと生命維持装置の、カラーコーディネートもバッチリね。

すっごく丈夫で軽い生地だから、
誰かにぶん投げられちゃっても安心よ。
だけど、断熱性が犠牲になってるのが惜しいわ。

ワンポイント

老舗宇宙服ブランドの
「テーラー・カノウ」製ね。
最近はシェアを取られ気味だけど、関節部に伸縮性のある生地を使っていたり、細かなこだわりがプデルは好きよ。

星間連盟規約上、レスキュー隊の宇宙服は上下同じ色にする決まりなの。
ファッション的にはつまんないけど、救助活動時に一般人と区別するためよ。

このように、我々にとって身近な宇宙服は、さまざまな機能や趣向を込めて作られているのだ。
それにしても、旧型のスーツだけでは30日しか生命維持装置がもたないはずなのに、ルーイ氏が長い間、惑星で活動できているのはなぜなのだろうか……?
理由はわからないが、なんともたくましい人物である。さて次回は、これらの宇宙服のおかげで生存することができた遭難者について紹介しよう。

調査員シェラン 新惑星の調査のために派遣された調査員。趣味は昼寝。